第3回日本酒を楽しむ会「橋本HKラウンジ」(12/16)


12月16日午後4時より、第3回「日本酒を楽しむ会」を橋本「HKラウンジ」
で開催し、日本酒を愛する13名の会員が出席しました。


まず、乾杯の音頭を長谷部顧問が行いました。(今回は乾杯も日本酒で行いました。)

しばらく歓談の後、各自が持参した日本酒についてそれぞれの思い入れを語ってい
ただきました。

 続いては、ソムリエの川口会員から「日本酒とワインのうんちくと楽しみ方の違い
について」を、また今井会員から「酒造好適米のおはなし」を聞かせていただきまし
た。(内容は後述いたします。)

 おいしいお酒と、おいしい肴に囲まれ、また酒に関する豆知識も得られ楽しい時間
を過ごし、尾花会員の一本締めにより、閉会となりました。


  
❁「日本酒とワインのうんちくと楽しみ方の違いついて」川口会員より


 ワインを通して酒類業界に属していますが、現在は輸入・流通業ではなくワインと食の文化面から事業展開を考えていますので、本日の「日本酒を楽しむ会」も日本の個性豊かな風土や文化の反映された作品としても堪能させて頂きました。

 全国の蔵元の数、日本酒の飲酒人口も大きく減少している昨今ですが、国酒としての酒文化を守り後世に繋いでいくためには、それを愛でる飲み手の存在が持続的に不可欠であることを思うにつけ、愛好家の方々が一堂に会してたくさんの美酒を楽しめるこの機会は貴重だと考えます。

 酒という嗜好品には、「うんちく」という単語が必ず紐づきます。

 少し気取った、あるいはスノッブな風合いを伴いますので、「小ネタ」と表現した方がニュートラルになるかもしれませんね。嗜好品である酒の帯びる"文化的香気"を楽しむ上では、ただ単に味覚だけではなく、各人が所有される「小ネタ」を通し、それを聞いて頭でも同時に味わうことでその楽しさが増幅していくものです。

 ワインの場合は、本場の生産地が国境を越えた遠隔地、言語の壁もありますので、どちらかと言うと、本、TV雑誌、学校等で得られる知識がそのまま「うんちく」になることが多くなります。また、ワイン一つ一つに ”身分” としてのヒエラルキーが存在しています。

 一方、日本酒の場合はこの種の第三者由来の情報だけに留まらず、飲み手個人個人が、例えば生まれ育った所、ゆかりのある土地、あるいは蔵元や生産者の知人がいる日本酒など、特別な関係性を持って好みの酒が生まれ、「My 日本酒リスト」に加わっていくという魅力は、ワインより多く持っています。
 「うんちく」が「薀蓄」に昇華すると申しましょうか。地域や生産者ごとのヒエラルキーも、“オフィシャルには”ありません。本日皆様方のスピーチによる、リアリティのある「薀蓄」を伴って多くの美酒を楽しめ、日本酒の魅力を再認識いたしました。

 

 

❁「酒造好適米のおはなし」今井会員より


 1951年までは酒米と言っていて、その方に馴染みを感じる方もおられるでしょう。しかし、一般的な関心は純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸、本醸造とかいう方か、お酒の銘柄に向いていて、使われているお米が何かについてはほとんど無関心です。確かにお酒は本人がおいしいと思えば銘柄さえどうでもいいわけです。しかしラベルをよくお読みになる方は、「山田錦」とか「五百万石」とか、或いは「美山錦」などはご存知ではないでしょうか。この3銘柄で全体の7割を占めると言われています。
 そもそもご飯として食べるお米と酒造好適米とはどう違うのでしょう。
1. 酒米は精米に耐えるために一般的に粒が大きい傾向がある。
2. 心白(しんぱく)と言う、中心部に白色不透明な部分が存在する。
3. 特徴としてたんぱく質の含有量が少なく、磨いても砕けることがないよう粘度が高く、 

   醪(もろみ)によく溶ける傾向がある。
4. 醸造適性として、蒸米吸水率、麹への作りやすさが求められている。
5. 食用米に含まれるたんぱく質や脂肪は、ごはんとしての旨味になるが、お酒では「苦

       味」や「雑味」として現れる。(3に関連)

 

 山田錦は「香味」が良く、大吟醸酒や鑑評会に出品する日本酒の原料とされることが多い。主たる産地は兵庫県で、全国生産量の9割にもなるといわれる。また、雄町(おまち)は最古参の種目で、山田錦や五百万石のルーツとなっている。芳醇でコクのある味わいを持つ。

 

 地方で地酒を求められる場合は、銘柄とともに酒米にも注意されるようお勧めします。青森県では「華吹雪」「華想い」などがあり、広島県であれば「八反錦」が、山形県なら「出羽燦々」が、福島県なら「夢の香」であったりして、これもまた日本酒の隠し味ではないでしょうか。 

 

 

 酒と料理、そして薀蓄、まさしく文化ですねぇ。塾歌にも「文化の護り高らかに」とありますから♪皆さん大いに食し、呑んで、語るべし♪ですね‼